1991 年 8 巻 6 号 p. 6_546-6_558
言語の解析と生成の統合,統語・意味・文脈処理の統合などに代表される統合的自然言語処理は,人間の情報処理の特徴である情報の部分性(記述の部分性と処理の部分性)という性質に対処するための手段と考えられる.本稿では,人間のように柔軟な言語処理能力を持つ自然言語処理システムのモデルとして,これらの性質を制約論理プログラミングの手法によって実現したモデルを提案する.このモデルでは,全ての情報は制約によって宣言的に記述し,処理はこれらの制約に対する制約変換の過程をヒューリスティクスによって動的に制御しながら行う.本稿では,統語解析と統語生成の統合という問題を例として取りあげ,このモデルによる処理の様子,特に制約変換の方法と具体的なヒューリスティクスの内容について説明する.