近年、計算機のメモリ階層は深化し、RAM モデルと現実との乖離は著しいものがある。また、クラスタや大規模分散計算等、各計算機間の通信遅延やその違いを無視できない並列環境が一般的になっているが、現状の並列計算コストモデルは、通信遅延の差異を考慮しないものや特定のネットワークトポロジに特化したものしか存在しない。我々は、単一計算機内のメモリ階層から計算機間のネットワーク遅延の差異までを統一的に記述できる計算量モデル、「計算連続体モデル」を提案した。本稿では、このモデルの検証の基礎となる仮想機械の仕様について述べる。