分散オブジェクト技術は低水準API(Application Programming Interface)群を隠蔽し,開発者に利便性を提供するものの,固有のAPI 群は多く,その技術習得は困難である.つまり,開発者はアプリケーション固有の処理と分散オブジェクト技術特有の処理の双方を実装する必要があり,依然として分散オブジェクト技術を用いたシステム開発の負担は大きい.本研究では,モデルを中心とした分散アプリケーションの構築フレームワークであるMDDS(Model-Driven Distributed System)の提案を行なう.本フレームワークでは,UML によってシステム全体のモデルを記述し,そのモデルを元にインフラロジックの多くを自動生成する.これにより,システム全体を見通した開発,およびビジネスロジックとインフラロジックの切り分けが可能となる.