抄録
情報技術の進歩により,コミュニケーションを取るためのツールが普及してきた.しかしながら,一般にこのようなツールはプライバシーに対して一方的であり柔軟性がない.
本論文では,この様なプライバシーに対する対策もふまえ,位置情報,状況情報を利用したコミュニケーション支援システムを構築する.今までに開発したシステムにおいては,情報開示の度合いを段階的に区分し,ユーザ登録時に相手ごとによって選択する機構を構築した.しかし,状況によって情報開示の度合いを変更したい際における対処がされていないという問題点があった.そこで本稿では,プライバシーを柔軟に守るための機構の構築をおこなう.本機構では,情報を守りたい状況を事前に登録するか,情報を守りたい状況下になった際に登録をおこなう.この登録した学習データから推論をおこなうことにより柔軟にプライバシーを守ることができるシステムの構築をおこなう.