2006 年 36 巻 1 号 p. 73-80
1872年に創設されたネース・少年スロイド学校はヘムスロイドを教えていたが、その2年後の1874年に入学年齢を12〜13歳(国民学校修了後)から10〜11歳に下げ、多くの普通教育科目を導入して、国民学校としての性格をかねそなえたスロイド学校に変化した。この組織改革によって、同校のスロイド教育の目的は一般的な技能を獲得させることに転換した。本稿では、1872年から1876年までのサロモンのスロイド教育の実践の検討からサロモンがシグネウスと出会う1877年5月以前に普通教育としてのスロイド教育の理念を形成していたことを明らかにした。