東京大学大学院教育学研究科博士課程
2010 年 40 巻 1 号 p. 18-25
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1973年度に科目「水産食品衛生」が新設され,高校水産教育に初めて公害が導入される.本稿では,この科目の新設経緯を明らかにし,「水俣病」と「新潟水俣病」に関わる内容について検証した.食品衛生と公害防止を盛り込んだ科目を創設したいという文部省側の姿勢と,公害教育の必要性を訴える教師側の見解が一致していた.けれども被害よりも加害防止が重要視される.教科書『水産食品衛生』には水俣病被害の実相は過少に記され,誤謬も認められた.そうした記述は,教科書執筆者のひとりである河端俊治によるものであった.
職業教育学研究
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