社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
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文化モデルアプローチによる聴覚障がい者への就労支援に関する考察 : ソーシャルワーカーに求められるろう文化視点
原 順子
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2011 年 51 巻 4 号 p. 57-68

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抄録
コミュニケーションおよび情報の保障を必要とする聴覚障がい者にとっての労働の場は,聴者との関係性のなかで,特に第一言語が手話である聴覚障がい者にとっては,日本語でのコミュニケーション環境のなかでとまどいをもちながらも,聴者社会での適応を求められている.障がい者が働くことの重要性が叫ばれ,就労支援が制度的にも推進されている昨今であるが,聴覚障がい者への就労支援は,「聴覚障がい者の特性」を事業所側に情報提供することが重要であるとし,その場合医療モデルに立脚したアプローチになることが多い.本稿では,聴覚障がい者への就労支援を担当している職員の具体的な彼らへのまなざしを検討し,ろう文化という聴覚障がい者の文化に着目した文化モデルアプローチが就労支援において重要であることを,海外の文献も参照し考察した.
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© 2011 一般社団法人 日本社会福祉学会
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