2014 年 54 巻 4 号 p. 82-97
本調査研究では,スクールソーシャルワーカー(SSWer)配置プログラムモデルに準拠した取り組みに関する全国調査の結果分析を通じて,まず,全国のSSWer配置プログラムの実施状況を明らかにし,そのうえで,その実施状況が期待される効果(アウトカム)に結びついているかどうかを示す.これにより,効果的SSWer配置プログラム構築に向けた示唆を得ることを目的とする.分析方法は,155自治体のSSWer 372人のデータを活用した量的分析により,SSWerによるプログラム実施状況および,その実施状況とSSWer自身が評価する効果(アウトカム)との相関をみた.結果,SSWerはかなり多くの効果につながる実践を行っていること,そして配置形態によって実践内容も効果も異なることが明らかになった.これにより,SSWer配置プログラムをより効果的にするための示唆を得た.