社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
論文
障害者就労移行支援プログラムにおける効果モデルの実践への適用可能性と効果的援助要素の検討――全国22事業所における1年間の試行的介入研究の結果から――
新藤 健太大島 巌浦野 由佳植村 英晴方 真雅村里 優全形 文
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2017 年 58 巻 1 号 p. 57-70

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抄録

就労移行支援事業は十分な成果を上げているとはいえず,実践現場に適用しうる効果的な「モデル」を構築し,実施・普及させる必要がある.本研究は,全国22事業所において,プログラム評価理論と優良(Good Practice)事例の質的検討に基づき構築した「効果モデル」や具体的な取り組みを規定した「効果的援助要素」に準拠した試行的介入と評価を行い,実践への適用可能性やより効果的なモデルへの発展,「制度モデル」への発展可能性を検討した.

その結果,「効果的援助要素」の実施は就労移行者数や就労定着率の上昇に貢献し,より効果的なモデルへと発展させるためには,OJT(企業でのトレーニング)による支援やネットワーク型の就労定着支援のさらなる検討が必要であることが明らかになった.そして,この「効果モデル」を「制度モデル」へと発展させ,実施・普及を図るためには「効果モデル」に基づいた情報の整理と関係者への提供が必要であるという示唆を得た.

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© 2017 一般社団法人 日本社会福祉学会
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