創傷
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総説
創傷治癒 • 創傷治療における “ 幹細胞 ” の意義と役割
秋田 定伯
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2010 年 1 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

 創傷治癒を促進し,理想的な瘢痕をもたらすために,さまざまな方法がとられるが,“ 幹細胞 ” 生物学の発達とその臨床応用の拡大により,創傷への再生方法として注目をあびつつある。幹細胞のなかにはES細胞,iPS細胞など将来非常に有望な細胞源もあるが,現状では倫理的問題を含めた実務上の問題があるため,いわゆる “ 体性幹細胞 ” を応用する方法が開発されている。創傷への臨床応用は基礎的研究に基づき,臨床へ展開されている。創傷治癒 • 創傷治療における幹細胞の動態,発現状態,分化様式の基盤的知見が,理想的創傷治癒へどのように展開されているか,付属器を含めた皮膚再生に向けての研究の現状と問題点について述べる。自験例では幹細胞を用いた創傷治療のなかで自家脂肪組織由来幹細胞を用いての難治性創傷治癒への有効例も経験しており,ますますの発展が期待される。

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© 2010 一般社団法人 日本創傷外科学会
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