2020 年 11 巻 2 号 p. 47-52
局所陰圧閉鎖療法(以下,NPWT)では,創の状態によりブリッジング法などのようにフォームを四角柱状に加工し用いる工夫を要することがあるが,そのような場合の圧伝達について言及した報告はない。今回われわれは,細長く四角柱状に加工したフォームにおいて,断面積,長さが設定圧と実測値の乖離に影響を及ぼすかを検討した。断面辺長が A群)3.0 × 3.2cm,B群)1.5 × 3.2cm,C群)1.5 × 1.6cm,D群)0.75 × 0.75cmの四角柱状のフォームを,各10検体ずつ作製した。長さの初期設定は200cmとし,10cm単位で短縮しながら,フォーム最遠位部への圧伝達を検証した。単回帰分析を用いた4群間の検定では,圧伝達に有意な差を認めなかった。フォームを四角柱状の形態で用いる場合,臨床の現場で用いる範囲内では設定圧を維持しうると考えられる。