創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
原著
腹部創感染・離開に対する創内持続陰圧洗浄療法の有用性
西 由起子守永 圭吾渡部 功一力丸 英明奥田 希和子坂本 有孝王丸 陽光清川 兼輔
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2011 年 2 巻 1 号 p. 20-25

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抄録
術後腹部創感染・離開は,感染が沈静化し創治癒にいたるまで数ヵ月を要することも多い。創内持続陰圧洗浄療法を用いて,創を早期に治癒させることが可能であったため,実際の方法と結果にについて報告する。
まず創内のデブリードマンを行う。ただし,腹壁の縫合糸は,強固な癒着が得られる術後3週以降に除去する。次に,創の形状に合わせたスポンジに多くの側孔を開けたチューブを2本埋入し,創面に密着させる。その上面をフィルムドレッシングで被覆し創内を完全な密閉腔としたのち,1本のチューブを生食ボトルに,もう1本を持続吸引器に接続し,本法を開始する。スポンジの交換は3~4日に1度行う。
症例は18例で,14~63日 (平均35日) の期間内に創は治癒した。
本法は,腹壁創離開の早期治癒を可能とした。腹部創離開はあらゆる施設で起こり得る合併症であることから,施設を問わず容易に行える本法は今後ルーチンの治療法になり得ると考えられる。
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© 2011 一般社団法人 日本創傷外科学会
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