医療ソーシャルワーカー(MSW)が関わっている保証人不在者についての支援上の困難を把握しつつ、これらの困難にはどのような特徴がみられるのかを検討するために、事例調査を行った。対象は、X県内12病院のMSW12人である。方法はインタビュー調査を実施し、内容分析を用いて分析した。その結果、以下の3点が示唆された。①MSWが感じている困難内容は、厚生労働省通知の「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」に記されている保証人に求める役割や機能と一致しないところがあり、[患者とのやりとり困難]等の「ガイドライン」では想定されていない困難が生じている。②回復期・慢性期機能の病床を主に担当しているMSWのみが感じている困難内容がみられ、病床機能によって違いがある。③MSWからみた支援上の困難には、成年後見制度では解決しきれない特徴がみられる。その上で、実践上の課題として、地域の関係機関との協働の必要性をあげ、医療現場の実態に即した「ガイドライン」改訂が必要であることを提起した。