移植
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COVID-19から透析・腎移植患者を守る
日高 寿美石岡 邦啓守矢 英和小林 修三
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 197_2

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抄録

腎不全はCOVID-19の重症化リスクの1つである。腎不全患者は骨髄不全の状態で、尿毒症物質の蓄積により免疫能が低下している。インフルエンザ対策として12月から血液透析(HD)患者全員に手指衛生の徹底、入室時に非接触型検温計で検温し記録していた。COVID-19が報じられた1月からは自宅での検温も義務化、マスク着用、密集を防ぐための対策も行った。同時に迅速に核酸増幅検査が行える体制を確立し、現在では1日500件の検査が可能である。発熱外来を開設し、発熱者は陰性確認するまでは疑似陽性患者として扱い、明確にゾーニングした。COVID-19が流行していた4月30日に161名のHD患者にRT-PCR検査と抗体検査を一斉に行った。RT-PCRは全員陰性だったが、IgG抗体は4人(2.5%)、IgM抗体は1人(0.6%)が陽性であった。IgG抗体陽性患者は皆同じクールでHDを受けていた。腎移植手術は一旦中止とし、腎移植外来患者にはCOVID-19流行のため健診業務を停止した健診センターを利用し、移植患者だけの検査と会計処理を行いすぐ帰宅させた。その後電話診療し、処方を行う対策をとった。腎移植患者の1例がCOVID-19(間質性肺炎)を発症し、入院したが、ナファモスタット、ファビピラビル、アジスロマイシン、IVIg治療により軽快退院となった。院内でのCOVID-19感染・発症はなく推移している。

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