移植
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レシピエント移植コーディネーターが希望する医療現場と現実
谷口 未佳子剣持 敬伊藤 美樹杉元 弥生伊藤 泰平會田 直弘
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 210_1

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抄録

レシピエント移植コーディネーター(以下RTC)は、患者への情報提供や継続支援、移植への意思決定支援、院内外への連絡・調整に加え、各学会への患者データの登録や臓器移植ネットワークへの新規登録・更新業務などさまざまな業務を担っている。RTCは専従で業務を行っている者もいれば兼任で行っている者もおり、兼任で業務を行っているRTCにおいては、日々の業務調整や脳死下・心停止下発生時の自己の勤務調整などを困難に感じている者もいる。RTCは学会認定ではあるが国家資格ではないため、認定看護師のような専従としての立場の確保は難しい。また、看護師はクリニカルラダーなどに基づく系統的な教育やナーシングスキルのような業務手順書があるが、RTCはそのような教育課程の確立はなされていない現状にある。施設内にRTCが1人しか存在しない場合においては、365日24時間オンコール業務を担当することとなり、仕事とプライベートの切り替えが難しい現状にある。今後、移植数の増加に伴いRTCの負担がさらに増えていくことが予測されるため、RTCにおいても働き方改革が必要であり、RTCの増員、教育課程の確立が急務であると考える。

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