2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 228_1
当グループではブターヒト間の障壁となる主要3抗原をknock-outしたTriple-knockout(TKO)に加え、補体、凝固抑制した9 gene pigが使用できるようになり、再生医療領域と比較すると臨床応用に極めて近い状況にある。2018年までにGTKOブタ腎臓を10匹のヒヒに移植するモデルを用いてFDA認可レジメン 5例と、anti-CD40 mAbレジメン5例の2群間で比較試験を行い、anti-CD40mAb レジメン群の生存中央値が186日とFDA approved regimenの14日と比較して有意に長く、異種移植において必須であることを示した 。また19例の移植待機患者血清とTKO pig PBMCとのCDCでは、10例(52.6%)において陰性症例を認めた。9 gene pigからヒヒへの腎移植の最新結果も含め、臨床試験への課題、再生医療との位置づけについても論じる。