移植
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血液型抗体価検査の現状と問題点 -精度管理報告-
橋口 裕樹佐藤 滋
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 308_1

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抄録

血液型不適合移植において、ABO血液型抗体価は脱感作の指標として実施され、抗体価測定は、施設内の検査部門、輸血部門の臨床検査技師が担当することが多い。抗体価の測定法は従来の試験管法に加えて、現在は輸血自動分析機で測定することも可能となってきた。しかし測定に関しての標準プロトコルは関連学会等からは出ておらず、各施設のプロトコルで検査を実施しているのが現状である。加えて使用する検査試薬は人の生赤血球を用いること(試薬期限が短く劣化の影響もある)、最終判定が検査者による目視である等、検査結果に影響を及ぼす要因は多い。今回、日本移植学会 医療標準化・移植関連検査委員会では全血クロスマッチ精度管理(日本組織適合性学会との共同事業)に併せて、血液型抗体価測定を全国48検査施設に配布し検査依頼を行った。過去に同様の精度管理は不定期で実施されていたが、現在は実施されておらず、現状の抗体価検査の精度を調査し報告する。

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