移植
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Officce Transplantation -当クリニックにおける腎移植専門外来-
伊藤 慎一松岡 哲平
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 310_2

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抄録

腎移植後患者の診療は移植施設で行うのが一般的であるが,最近では移植医による移植後患者を中心に診療するクリニックの開設も見られるようになってきた.演者は岐阜大学を退職後,2012年4月より当院院長として勤務している.当初,98名の腎移植患者が当院に通院していたが,2020年7月現在は82名が通院中である.腎移植患者の診療に対応して主だった検査は院内で測定する体制を取っている.そして合併症を抱えた患者のため糖尿病や循環器内科専門医にも当院での診療を依頼している.しかしクリニックであるため時間外診療や入院治療に対応できない.このため,入院治療が必要となる場合には移植施設やその他の基幹病院と連携して診療を行っている.また,遠隔地からの通院患者もいるため当院以外にかかりつけ医的な医療機関を持つ患者もいる.以前に比べて,「免疫抑制剤を内服している臓器移植患者」だから対応を拒まれることは少なく,免疫抑制剤の調整や併用禁忌薬の指示などの情報を適切に行えば断られることは殆ど無い.診療時間外の対応は24時間365日,外来担当Nsと私が常時携帯電話で対応できるようにしている.クリニック診療のデメリットもあるが,夜間・土曜日も含め診療時間の自由度が高いこと,また患者に十分な診療時間を取ることができ,ひいては患者満足度が向上することと考える.

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