移植
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免疫抑制薬血中濃度測定の全国QCサーベイ報告 2020
増田 智先
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 335_2

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抄録

(一社)TDM品質管理機構は、日本TDM学会と日本移植学会の協力により2016年4月に発足し、主に免疫抑制薬(タクロリムス、シクロスポリン、ミコフェノール酸、エベロリムス)について各医療機関ならびに外注検査室における日常の測定精度管理を客観的に評価するための外部精度管理機構として活動している。毎年4月中の参加申し込みを募り、5月~6月にかけて各薬物3種類のスパイクサンプルを参加施設に送付する。各施設は日常診療で実施される血中濃度測定業務に組み入れて測定結果をWeb経由で報告し、8月に開催される研究会において集計結果の報告を受ける。各参加施設は、それぞれの採用している測定法の統計データを参照し、自施設で得られた結果との整合性を確認する。本法人の実施している、全国QC(Quality Check)サーベイは国内唯一の第三者評価機構であり、同じ測定システムを採用する医療機関同士の結果の相同性(類似性)を再確認できる機会を提供する。2020年度も新型コロナ禍の中、例年通りにQCサーベイ事業を実施することができた。移植患者の術後管理を円滑に行う上で、免疫抑制薬の精密な血中濃度管理は移植臓器の生着に加えて副作用発現の抑制に必須と考えられる。本企画では、2020年度の免疫抑制薬全国QCサーベイの結果をもとに、昨今の傾向を考えながら国内唯一のTDMに係る第三者評価機関としての役割について解説する。

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