2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 366_3
症例は、54歳男性。腎硬化症による慢性腎不全にて20XX年に血液透析導入となった。同年弟をドナーとしたABO血液型適合腎移植術を希望された。フローサイトクロスマッチはT細胞B細胞ともに陰性、HLAはフルマッチであった。導入免疫抑制剤は、CyA、MMF、MP、BAXの4剤を使用する予定であった。2年前より原因不明の関節痛が時々あり、1週間ほどで軽快することがあった。腎移植予定の1週間前よりMMFを開始しその後CyAを開始したところ、4日目より右肘部腫脹、右足関節軽度違和感、38℃の発熱を認め、WBC 14700/mlと上昇したため、腎移植予定を中止した。CRPは6.86mg/dlまで上昇、MRIにて上腕三頭筋腱付着部炎を認めた。免疫抑制剤を中止後軽快した。膠原病マーカーは陰性、尿酸値は4.2mg/dlであったが、代謝性疾患が考えられた。再度同様に免疫抑制剤を投与したが、その際は無症状で、WBC、CRPの上昇はなかった。再度腎移植を予定、同様に免疫抑制剤を投与したところ、4日目より左足外顆、両足趾MTP関節に腫脹、左膝関節に違和感が出現した。WBC12900/ml、CRP3.25mg/dlまで上昇したが、発熱はなかった。感染ではなく代謝性疾患と考え、WBC、CRPも減少傾向であり、血液培養陰性を確認し腎移植を施行した。術後症状も消失した。移植後経過は良好であった。