移植
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日赤名古屋第二病院における腎移植後患者外来フォローの現状と展望
二村 健太島本 侑樹姫野 智紀長谷川 雄基小玉 寛健西沢 慶太郎岡田 学平光 高久後藤 憲彦鳴海 俊治渡井 至彦
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s180_2

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抄録

本邦の腎移植数は2019年に年間2,000例を超え、今後もさらなる増加が見込まれている。移植者の増加と長期予後改善の一方、その診療を担う移植医や移植施設数の増加は乏しいのが現状である。

当院は年間110-130件の腎移植を行うハイボリューム施設であり、手術周術期は移植外科医(7名)が、術前評価と移植後3週目以降の外来管理は移植内科医(4名)が主に担当している。毎年200人以上のレシピエントとドナーが発生するため、自施設で全ての患者をフォローし続けることに限界があることは10年以上前から明らかであった。そのため地域でドナーを含めた移植後患者をフォローする体制を築く必要があり、2013年度から移植患者を非移植施設でも診療可能なシステムを構築していった。第1段階として当科研修をもとに移植後患者を診ることができる腎臓内科医の育成を、第二段階としてその内科医が戻った先の施設での移植後外来の立ち上げ支援を、第三段階としてその施設への当院移植内科医の月1-2回程度の訪問/併診と継続的な勉強会の開催などを行ってきた。これから更に腎移植がより多くのCKD患者にとってusefulなものとなるためには、非移植施設の非移植医(主に腎臓内科医)による腎移植後診療の実施が不可欠であると考える。

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