移植
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DCを用いたCD4 T細胞培養系によるIndirect alloresponse評価
岩崎 研太友杉 俊英関谷 高史三輪 祐子Mohamed B. EzzelarabXiuyuan Lu山崎 晶雫 真人安次嶺 聡石山 宏平小林 孝彰
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2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s237_1

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抄録

【背景】長期生着を達成するためには、de novo DSA産生制御が大切であるが、その免疫応答の把握は難しい。本研究では、ヒト樹状細胞を用いて、DSA産生評価とMixed Lymphoid Reaction(MLR)との比較検討を行った。【方法】ヒトCD14を精製し、ドナーPBMC存在下でIL-4/GM-CSF IL-1β/TNFα刺激で成熟させたものを樹状細胞として使用した。細胞増殖はCFSE-FCM 、IFNγ/IL-21産生はELISPOTで評価した。増殖CD4 T 細胞はsingle cell RNA-seqで評価した。【結果】Single RNA-seq解析により、DCによって増殖するT細胞は、Mixed Lymphoid Reactionとは異なるeffector細胞が増殖していた。De novo DSAを産生した組み合わせでは、移植前には存在しなかった、ドナー抗原応答性effector T細胞の増殖を認めた。De novo DSAを認めた検体からは、メモリーCD4 T細胞から有意なIL-21 spot数を認めた(80.8+/-51.2 対 14.8+/-20.4, p<0.001)。【結語】 De novo DSAに関わる免疫細胞の同定は、治療戦略において重要である。Indirect allorecognition CD4+ T細胞反応を評価した本研究は、長期生着のためのモニタリングに加えて、そのメカニズムの解明に有用であることが示唆された。

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