2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s252_2
【背景】臓器提供に関して、日本臓器移植ネットワーク(JOT)から提供施設や摘出医を派遣した施設に費用配分されている。その費用が臓器提供・移植医療に関係部署にインセンティブとして再配分し、臓器提供に関わる院内スタッフの教育・人材育成に役立てる体制を確立したので報告する。【方法】2020年7月に、臓器提供および臓器摘出にかかる費用配分について、国立大学附属病院(45施設)の事務部門に一斉照会した。その結果をもって、本院の体制を整えた。【結果】回答数は34施設であった(回収率75.6%)。JOTからの費用をインセンティブとして院内関係者に配分している施設数は、臓器提供時は3施設(8.8%)、臓器摘出時は6施設(17.6%)であった。提供時の配分については、JOTからの費用の30~50%を関係部署に配分していた。また、配分している施設の臓器提供数は0~2件/年であった。この結果を受けて、当院は臓器提供関係部署に配分する金額を定め、2021年4月からインセンティブ制度の運用を開始した。【考察】インセンティブ制度導入している施設は少なく、これは先進的なことであった。今後、配分額の用途を確認し、配分額の見直し等を実施していきたい。