2023 年 58 巻 Supplement 号 p. s286_3
【はじめに】2007年に内閣府より自身のニーズに合わせて多様な働き方・生き方を選べるワークライフバランス社会の実現に向けて、国や地方公共団体、企業、働く人々が一体となって取り組むという方針が掲げられている。レシピエント移植コーディネーター(以下、RTC)一人ひとりのライフステージや状況に合わせた働き方でワークライフバランスを保ち、長期的にRTC活動が継続できるような環境づくりを考えたい。【本文】当院では、2010年度よりRTCとして専従1人、翌年に専従1人増員、2021年度に3人目の専従RTCが増員され活動を行ってきた。一方で、2010年当時の移植件数は88件、その後徐々に件数が増加し年間100~110件程度の生体腎移植・献腎移植・膵腎同時移植を実施している。RTC1人体制時では移植前から移植後1年以内の患者フォローを行い、2人体制時ではRTC活動を移植前担当者と移植後担当者に分けて業務を遂行してきた。約10年に及ぶRTC活動の中で、個人の働き方やキャリアアップ(役職と専門職の両立)に合わせたRTC業務の変遷と移植前後に業務を分担したメリット・デメリットについて報告する。また、RTC増員に向けた取り組みと看護部との連携、RTC増員後の育成と活動状況、現在の増員への取り組みについても併せて報告する。