移植
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当院における膵全摘術+自家膵島移植8例の短期成績の検討
國土 貴嗣稲垣 冬樹小谷 紀子内原 正樹中條 大輔梶尾 裕柳瀬 幹雄山本 夏代上村 夕香理竹村 信行國土 典宏霜田 雅之
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s215_1

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抄録

背景:激しい痛みを伴う慢性膵炎に対する膵全摘術および自家膵島移植(TPIAT)は,痛みの軽減を図りながら術後の膵性糖尿病を緩和し,良好な血糖コントロールを実現する治療法として,欧米を中心に行われている。しかし,日本ではこれまでに行われた実施数は限られている。方法:2016年8月から2023年1月までに、8名の患者が当院でTPIATを受けた。コラゲナーゼによる消化を用いて摘出膵臓から膵島を分離した。懸濁した膵島組織は手術中に門脈に注入し、肝臓内に移植された。結果:年齢の中央値は36歳(range 18-69)であり、性別は4例が女性、4例が男性であった。原疾患としては遺伝性膵炎が3例、アルコール性膵炎が3例であった。手術時間の中央値は754分(range 622-1128)であり、出血量の中央値は418ml(range 62-1798)であった。術後外科での在院日数の中央値は16日(range 9-29)であり、術後出血により再手術を要した症例を2例認めた。すべての患者で疼痛スコアは改善していた。結語: 膵全摘術+自家膵島移植術は安全に施行可能であった。

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