2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s313_1
【はじめに】当院は、臓器提供施設連携体制構築事業の拠点施設として、愛知県内6施設を連携施設として、2019年より実施している。GCS3レジストリとは、器質的脳障害により深昏睡(GCS3)を認める者の治療経過および不可逆的全脳機能不全に至った際の家族に対する選択肢提示の実施状況等の診療実態についての調査である。本事業の一環とし実施した2023年7月~12月のGCS3レジストリ結果より課題を検討した。【目的】GCS3レジストリを分析、課題を検討、今後の臓器提供件数の増加につなげる。【結果】当院および連携6施設での、(1)GCS3報告件数 (2)院内コーディネーターへの連絡数 (3)OP提示数は、当院(1)49件(2)16件(3)8件、連携6施設では、A施設(1)5件(2)5件(3)5件、B施設(1)(2)(3)0件、C施設(1)60件(2)18件(3)0件、D施設(1)4件(2)4件(3)1件、E施設(1)13件(2)4件(3)0件、F施設(1)2件(2)2件(3)2件であった。以上の結果より、(1)GCS3報告件数は各施設で異なっていた。また(3)OP提示数が0件の施設が3施設あった。更に、(3)の事例から提供に至った件数を調査したところ、連携施設において(1)(2)(3)が一致していた施設において、全例で提供につながった。【結語】 臓器提供に至らない原因や背景は施設によって異なるが、臓器提供につなげるためにはGCS3症例を全例院内Coに連絡し、OP提示を行うことが必要と考える。崇高な意思を叶え、臓器提供を確実に遂行ためのシステムの構築が急務である。