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ドナー腎採取術の術式変更に伴うアウトカムの比較検討
鳥海 蓮野原 隆弘加納 洋牧野 友幸内藤 伶奈人岩本 大旭八重樫 洋川口 昌平重原 一慶泉 浩二溝上 敦
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s344_1

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抄録

【目的】ドナー腎採取術の術式変更が安全性、効果に及ぼす影響を評価する。【方法】当施設では、2010年より左腎ではハンドアシスト腹腔鏡下ドナー腎採取術を標準術式としていた。しかしここ数年、本術式の術後に腹膜炎をきたす症例を複数認めた。このため、2023年6月より後腹膜到達法に術式を変更した。本検討では術式変更前後の患者データを後方視的に収集し、手術の安全性、合併症、入院期間、術後疼痛などのアウトカムを比較検討した。【結果】当施設では術式変更後5症例を経験しており、直近の従来法5症例と比較した。術式変更後は従来法と比較して、合併症の低下(特に術後腹膜炎)、入院期間の短縮、術後疼痛の軽減がみられた。【考察】症例数は少ないものの、術式変更によりドナー腎採取術のアウトカム向上が認められた。さらなる症例の蓄積と、右ドナー腎採取術への適応を検討している。

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