移植
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臓器移植に関する教育の実態と展望 ー全中学校を対象とした3年間の調査結果から―
瓜生原 葉子
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s348_2

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抄録

【背景・目的】2019年4月より中学校の道徳が教科化され,7社の教科書に臓器移植が掲載された。本一連の研究のゴールは、誰もが躊躇なく授業を実施できる環境を整備することである。そこで、2021年度より全中学校を対象とした調査を実施し、授業実施の課題と要望を検出して対応を行っている。3年目は、2年間の調査で最も要望が高かった授業支援資材「模擬授業動画と授業実施ポイント動画」を作成し、その検証も含めた調査を行った。【方法】対象は全中学校10,145校である。調査項目は,授業実施状況,授業実施までの準備,授業の工夫,実施満足度,継続意図、支援資材の活用意向などであった。分析はSPSSを用いた。【結果と考察】授業実施率は、19年度44.6%,20年度47.5%,21年度52.2%,22年度55.9%、23年度57.9%と増加傾向にあった。授業実施者の満足度91.9%,継続実施の意図は86.6%と高かった。今回作成した資材の役立ち度は89.9%,活用意向は83.1%であった。道徳科の教科書に掲載されている臓器移植に関する教材は約7割に達している。中学教諭は、重要なテーマであると思う一方,3年間で1回のみの教材に準備時間を確保することは難しいと感じている。授業実施の際の悩みや不安の解消に向けた支援資材、それを含めたwebsite” https://www.seimeisonchou.com/”の浸透が今後必要だと考えられた。

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