2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s349_3
【背景】国立循環器病研究センター(当院)では大阪大学と心臓移植に関連する多施設共同研究を開始した。CRCが効率的な連携を構築できる可能性があるが、専門的なCRCは少ない。【目的】多施設共同研究実施時のCRCの役割について検討すること。【方法】当院と大阪大学とで開始した“重症心不全患者に対する心臓血管外科治療に関する臨床研究”においてCRCが関わった業務及びその成果を後ろ向きに検討する。【結果】双方の窓口である医師と連携し、病院間の打合せを行い、両施設のデータベースの現状を把握した。研究目的に合わせて収集するデータ項目を追加・変更などをする必要があり、新たに連携用データベースを作成した。項目を見直す作業や定義付けを行い、その都度共有した。1999年から2021年までで大阪大学の121例、国立循環器病研究センターの151例のデータを統合した。2023年の日本移植学会総会では共同研究から4演題発表が行われた。今後、先進医療等の検討にも本データを用いる検討をしている。【考察】心臓移植は限られた施設で実施されており、収集項目も通常の循環器疾患と異なることも多い。他施設共同研究を継続していくためには、知識と作業効率が求められるため、心臓移植の臨床情報について専門的な知識を有するCRCの育成を行うことも必要である。【結語】心臓移植の他施設共同研究を推進するためには、心臓移植に関する知識があるCRCが関わることは重要であると考える。