移植
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生体肝移植RTC育成の取り組みと課題
山内 麻依子請舛 亮太郎宮城 和美饒平名 かおり嶋田 圭太大野 慎一郎高槻 光寿
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s350_1

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抄録

【目的】A病院にて移植医療を推進するにあたり、チームの要である生体肝移植レシピエントコーディネーター(以下RTC)の育成する仕組みを構築する。

【方法】1. RTC育成について共通認識、2.RTCの役割について基準・手順の作成、3.実務経験を通して教育する体制の構築

【結果】1.看護部をはじめとしたRTC育成に関わる者が毎月1回定期カンファレンスを開催しRTC育成について共通認識を図った。2.RTC役割の基準・手順については、RTC候補者が中心となり、生体肝移植ガイドライン・日本肝臓学会の肝移植適応基準等を参考に作成している。3.医師・外来・病棟師長と連携し、移植予定の患者情報を共有する体制を構築した。一方で、RTC候補者が病棟業務と兼任しRTC業務を担っている状況があり、実務経験を積み重ねることができていなかったため、一定期間外来配置とする勤務調整を図った。

【考察】RTC育成について、RTC育成に関わる者が、育成の目的や意義について共通認識を図ることで、院内のRTC役割の基準・手順作成の着手および看護部の支援体制が構築された。教育体制について、RTC候補者が学習した内容を活かし実務経験を積み重ね、評価とフィードバックできる教育体制を構築することが必要である。そのためには、生体肝移植に関わる多職種間で連携し育成に向けた協力体制を整備することが重要である。課題として、専従のRTCとして配置し役割発揮できるよう業務体制を整備することである。

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