移植
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Donor Candidate GFR Calculatorの日本人における有用性の検討
比嘉 洋子角田 洋一松村 聡一深江 彰太田中 亮余西 洋明中澤 成晃山中 和明蔦原 宏一岸川 英史高尾 徹也猪阪 善隆野々村 祝夫
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s352_3

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抄録

【目的】ドナー候補者の腎機能の正確な評価はドナーとレシピエントの両者にとって重要である。我々はHuangsらが米国の人口を代表するコホートから開発したe GFR Calculatorの日本人における有用性を検討した。

【方法】対象は血清クレアチニン、血清シスタチンC、イヌリンクリアランス(Cin)を測定した生体腎移植ドナー候補752名。eGFRcrテスト後確率は米国の人口データからのテスト前確率を使用しeGFRcr-cysテスト後確率はeGFRcrのテスト前確率を使用した。

【結果】eGFRcrからのGFR≧90 mL/min/1.73m2のテスト後確率が95%以上の時82.8%の症例はCinが90 mL/min/1.73m2以上であった。eGFRcr-cysを用いても82.8%であった。eGFRcr のGFR≧90 mL/min/1.73m2テスト後確率100%の時96.0%の症例でCinが80 mL/min/1.73m2以上で、eGFRcr-cysを用いると88.8%であった。GFR<70 mL/min/1.73m2となるeGFRcrを用いたテスト後確率が10%以上の時、27.2%の症例はCinが70 mL/min/1.73m2未満でeGFRcr-cysを用いると33.3%であった。JSN eGFRcrが80 mL/min/1.73m2以下の451例では、Cinが80 mL/min/1.73m2以上の群と以下の群のeGFRcr≧80 mL/min/1.73m2のテスト後確率は88.3±17.8 %と72.7±25.8 %で80 mL/min/1.73m2以上であり、301例では92.0.%と92.0±8.0%であった。(いずれも)p<0.001

【考察】Donor Candidate GFR Calculatorは日本人においても有用である可能性が示唆された。

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