2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s361_3
【緒言】腎移植後の尿管狭窄は、約3%に生じる主な術後合併症の一つである。観血的手術を施行した2例につき報告する。【症例1】63歳男性。腎硬化症による慢性腎不全に対して妻をドナーとしたABO血液型適合生体腎移植術を施行。移植後2ヶ月目に移植腎盂腎炎、移植腎水腎症を認め尿管ステント留置し抗生剤にて加療した。移植後6ヶ月目に移植腎盂自己尿管吻合術を施行し、新たに尿管ステントを留置、元の尿管ステントを抜去した。移植後12ヶ月目に逆行性腎盂尿管造影を施行し明らかなリークは認めなかったが本人希望にて尿管ステント交換とした。移植後1年5ヶ月目に尿管ステントを抜去しその後経過良好である。【症例2】63歳男性。原疾患不明の慢性腎不全に対して妻をドナーとしたABO血液型不適合腎移植術を施行した。移植後3ヶ月で移植腎水腎症、腎機能増悪を認め、尿管ステント留置を試みるも尿管吻合部で閉塞しており留置できず移植腎瘻を造設した。腎瘻定期交換を施行し、移植後11ヶ月目に移植腎尿管膀胱新吻合術を施行した。術後1週間目に施行した腎瘻造影、膀胱造影ではリークを認めなかった。【結語】腎移植後尿管狭窄に対して観血的手術を行った。術後の経過は現在のところ良好である。