移植
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腎移植後再発FSGSの加療に難渋した1例
吉田 峻祐谷藤 暁加藤 容二郎吉武 理
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s393_2

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抄録

X-3年に初めて蛋白尿を指摘された生来健康な50歳代男性.X-2年A月に他国で腎生検を施行されFSGS(Tip variant)と診断され,免疫抑制剤を投与された.A+4月に帰国し当院を初診し,ステロイドパルス療法やLDLアフェレーシスを行い一時的に蛋白尿は減少したが再燃し,末期腎不全へと至りX-1年11月に血液透析を導入した.腎移植を希望し,X年3月に妻をドナーとする生体腎移植術を施行された(血液型適合,HLA2ミスマッチ).術後も5.0g/日程度の蛋白尿が持続し,血清Cre値も上昇したため移植後11日に移植腎生検を施行された.FSGS再発が疑われステロイドパルス療法,血漿交換療法およびリツキシマブ投与を行った.再度移植後45日に移植腎生検を施行したところFSGSは増悪しており,現在も血漿交換療法を継続しているが6.0g/日の蛋白尿および血清Cre 3.5 mg/dl程度で推移している.この度,治療抵抗性の腎移植後再発FSGS症例を経験したので文献的考察を交え報告する.

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