移植
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当院における二次腎移植の検討
岩間 佳奈美中村 有紀三木 克幸横山 卓剛神山満 学石井 保夫
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s397_1

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抄録

【背景・目的】腎移植後の生存率・生着率の向上に伴い、近年では二次・三次移植の多次移植が積極的に行われつつある。2020年の集計では、全国で年間に79例(生体腎69例/献腎10例)の二次移植が実施された。今後も多次移植の増加が見込まれており、当院で施行した二次移植症例の短期成績を後方視的に検討した。【対象と方法】2015年1月から2022年9月までに施行した腎移植223例のうち一次腎移植206例(生体腎179例/献腎27例)と二次腎移植17例(生体腎14例/献腎3例)を対象とした。患者背景、移植腎生着率、拒絶反応、血清クレアチニンの推移(mg/dL)を比較因子としてそれぞれの短期成績について検討した。【結果】二次移植群は男性7例、女性10例であり、平均年齢は49.8±8.5歳(33-64)。一次移植腎機能喪失の原因は、急性・慢性拒絶反応であった。移植後1年の生着率は、初回移植で97.1% 二次移植で100%であった。拒絶反応の発症については、一次移植症例と二次移植症例での間に有意差は見られなかった。移植1年後の血清クレアチニンは、一次移植 1.38±0.48二次移植1.31±0.38と有意差を認めなかった。【結論】二次移植は一次移植に劣らない有効な治療法であり、二次移植が必要な症例では治療の一つとして考慮されるべきである。

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