1967 年 11 巻 3 号 p. 94-97
紅茶用品種の育成において, アッサム種を使用する場合, それから得られるアッサム雑種の耐寒性がどれほど附与されるかについて検討した.
1.栽培管理の方法が違うと, 耐寒性, 耐寒性の年次間相関関係および耐寒性と低温抵抗性との相関関係などは異なった結果が現われる.吹きさらしほ場では防風ほ場に比較して寒害は大きく現われ, どのような組み合せを行なっても, 当地方によく適応する耐寒性強のアッサム雑種の出現率は低い.
2.耐寒性の遺伝力はかなり高い.アッサム種の耐寒性は非常に弱いため, 耐寒性が強いアッサム雑種を作成するには, 特に耐寒性強の品種を選んで組み合せる必要がある.しかしこのような組み合せを行なっても, 42年にみられた低温によく耐え得るアッサム雑種は非常に少なく, これらの養成には防寒装置の必要が認められた.
3.アッサム種の利用には, これによって品質を改善し, これに耐寒性を附与する品種を選ぶべきである.しかしこれに合致する適品種はきわめて少ないため, アッサム種に耐寒性を強く附与することを考慮するよりも, アッサム種の良質を導入することに主目標をおくべきと考える.