熱帯農業
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光利用効率からみたサトウキビ品種の多収性に関する研究
第1報 サトウキビ品種における個体群吸光係数と生産構造
島袋 正樹
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1976 年 19 巻 3-4 号 p. 151-155

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抄録
1.サトウキビ品種個体群の生産構造, 吸光係数 (K) について検討した.生産構造と吸光係数は品種によって, 著しい差がみられた.
2.Kと葉面積指数 (LAI) との間には負の相関々係 (r=-0.7300) が認められた.これは, LAIはKの値が小さいほど大きくなることを示している.
3.Kと枯葉重/青葉重比との間には正の相関々係 (r=0.7031) が認められた.Kの値が小さいほど下層葉への光エネルギーの浸透が良好となり, その結果, 下層葉の枯れ上がりも少なくなることがわかった.以上はKがサトウキビ個体群内部への光の浸透を示す指標として重要な意味をもつことを示している.
4.Kと葉身展開角との間およびKと葉幅との間にはそれぞれr=0.6415, およびr=0.6546の相関々係が認められた.これはKが草型とも関係していることを示している.
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© 日本熱帯農業学会
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