1980 年 24 巻 3 号 p. 113-117
うどん状発泡スチロール (Styrofoam packing) の地面被覆量を次第に増加して地温を段階的に調節した3框試験区を設定し地温と胡椒の生育との関係を調査した.被覆量の多い区程地中5cmおよび10cmの正午の月平均地温は低く経過し, これに応じて根系の機能は次第によくなり, 衰弱による枯死株は減少した.特に被覆量の最も多い区における地下部および地上部の生育は格段とよく, 且つ枯死株は全く見られなくなった.健全な生育を確保する地温は被覆量の最も多い試験区の生育期間中の最高月における正午の地中5cmおよび10cmのそれぞれの月平均地温である29.5℃および29.0℃を上限としそれ以下に保つことと推考した.またこれらの地温は敷草によって確保され得ることを吟味した.