熱帯農業
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重窒素使用によるインドネシア水稲の窒素肥料利用率の評価
小菅 伸郎Iskandar ZULKARNAINI
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1981 年 25 巻 4 号 p. 170-176

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抄録

インドネシア中央農業研究所において, 枠試験およびポット試験に重窒素で標識した肥料を用い, 水稲による吸収利用率を測定した.枠試験では基肥, 田植30日後の追肥および幼穂形成期における穂肥の3回にわたる施肥において合計窒素利用率は26~36%であり, 時期別の比較によると穂肥の利用率が高い場合が多かった.栽植密度に関する検討では20×20cm, 25×25cmの区が, より密植の場合より利用率が高く, 生わら施用の有無に対する施肥窒素利用率の測定結果では, 両処理区間に差が無く, 生わらのような炭水化物の多量投入によっても窒素吸収の低下がおこらないことを認めた.しかしながらポット試験の規模で, 土壌型と生わら施用の有無を組合せた試験では, 全部の土壌区で生わらの施用による利用率低下がみられ, 狭い閉鎖系では圃場試験と結果が異なることがわかった.
生わら施用区を除いた一般的な利用率は日本における値と大きな違いは無い.

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