抄録
種子島と台湾両地域において夏植で共通栽培されたサトウキビ26品種を供試して, 品種生態型の分類および品種群の地域生態型反応を検討する目的で, 主成分分析を適用し解析した.
分析は, 葉部, 茎部, 収量および蔗汁質に関する30, 21, 17, 12, 8形質を選択したが, 必要最少限度の形質は12形質であった.地域ごとの分析の結果, 第1主成分は地域適応型, 第2主成分は収量性と関連し, 2地域を通じて共通した成分が得られた.第1, 2, 主成分によって品種の分類を試みたところ, (A) 熱帯型, (B) 亜熱帯型, (C) 温帯型, (D) 少収型, (E) 多収型の5群に類別された.両地域プールした分析では4群に分類され, 栽培地域を温帯から亜熱帯へ移動した場合の品種群の地域生態反応には, 各群内で類似の方向性が認められた.