サトウキビのモザイク病抵抗性育種を有効に推進するために, 自然条件下における感染抵抗性の品種間差異を究明した.材料はサトウキビ育種試験における育成系統を対象とし, 8年間27試験について解析した.
モザイク病の発病は年次, 栽培型, 圃場により変動するが, 品種間差異は相関関係も高く比較的安定した.指標品種の抵抗性基準、ならびに検定系統の評価法を設定した.免疫性系統は検出できなかったが, 極強 (1) 抵疫性は実際栽培では感染から免れうることが確認された.南西諸島のモザイク病勢の拡大は単一遺伝子型の弱抵抗性品種の作付に原因し, 抵抗性育種の方向について論及した.