熱帯農業
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プラウノイ園における雑草の総合的防除法
松永 英輔ドメトン チャチャイプーンサワット セェークサン
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1993 年 37 巻 1 号 p. 32-37

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抄録
大規模なプラウノイ園 (1, 120ha) における効率的・経済的雑草防除法を確立するため, 若干の基礎試験を実施した.その結果は以下の通りであった.
2年生以下のプラウノイ幼木園における雑草防除法は, 雨季の初期 (1989年5月下旬) に畜力耕耘と人力小器具による機械的除草を行い, その後マメ科被覆作物, Calopogonium mucunoidesを播種・栽培して雑草との競合による耕種的除草を実施した.
3年生以上のプラウノイ成木園における雑草防除は, 雨季の初期 (1989年5月下旬) から終期 (1989年11月下旬) にかけて以下のような処理を3回繰り返した.一般雑草が約20cmの高さに出揃った頃, グリフォセートをヘクタールあたり1.4kg, さらに防除困難な雑草については3.3kgを茎葉処理した.
以上の試験結果から, 大規模なプラウノイ成木園における雑草防除法として, 次のような総合的防除が最善の方法と思われる.
初めに, 雨季に雑草が約20cmの高さに出揃った頃, 防除剤による化学的除草を実施する.次に再び雑草が約20cmの高さに出揃った頃, 畜力耕耘と人力小器具による機械的除草を実施し, 完全除草後マメ科被覆作物を播種・栽培して雑草との競合による耕種的除草を実施する.最後に, 乾季にプラウノイ樹の自然発火の防止も含めて, 畜力耕耘と人力小器具による機械的除草を実施する.
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