抄録
スイートハジル (Ocimum basilicum L.) の生育・収量・精油濃度ならびに蒸発散量に及ぼす灌水の影響を調べるため, 灌水開始点をpF1.5, 1.8, 2.5, 3.5区の4段階に設定して実験した.
灌水開始点が高い区ほど, 1回の灌水量は多いが, 灌水回数は少なく, 総灌水量も少なかった.処理期間中の平均1日当たり蒸発散量は6.5 (pF3.5区) ~9.6 (pF1.5区) mmであり, 高pF区ほど低い値を示した.生育全期間を通じての蒸発蛍比の平均は, 1.44 (pF3.5区) ~2.07 (pF1.5区) と, 全体的に高い値を示したが, 高pF区ほど低かった.
蒸発量は蒸発計蒸発, 日射量とは全期間を通して高い相関があった.気温地温湿度とは生育後半には相関がみられなくなった.
生育・収量はpF1.8区が最も優れ, 次いでpF1, 5区, pF2.5区の順となり, pF3.5区はかなり劣った.pF3.5区のpF1.8区に対する各生育量の割合は, 草丈で87%, 葉数で81%, 全葉面積で77%, 地上部新鮮重で64%, 地上部乾物重で71%であった.
精油濃度は生育・収量の結果とは異なり, pF2.5区が最も高かった.