抄録
子実用アマランサス2種 (Amaranthus caudatus, A. hypochondriacus) を用い, 窒素およびリン酸施肥量の相違が生育・収量に及ぼす影響について, 深さ80cm, 幅100cm, 長さ200cmの枠を用い, 土耕法で実験を行った.
実験区分は対照区 (10a当たり成分量でN: P: Kが8: 8: 8Kg.) , 窒素多量区 (16: 8: 8Kg) , リン酸多量区 (8: 16: 8Kg) の3区とした.
その結果は, A. caudatusおよびA. hypochondriacusの両種とも, リン酸多量施用が窒素多量区および対照区より地上部の生長促進に大きく影響し, 主穂内の枝梗数を増加した.また, 両種の主穂子実収量にも, リン酸多量区が最も影響し, 窒素多量区および対照区より増収した.一方, 一株粒重では, A. hypochondriacusはリン酸多量区, 窒素多量区, 対照区の順であったが, A. caudatusでは窒素多量区の側枝穂の粒重が最大であったため, 窒素多量区, リン酸多量区, 対照区の順となった.