熱帯農業
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水ストレス下でのツルナシインゲン (Phaseolus vulgaris L.) の生育, 収量及び水分生理におけるカリウム施肥の影響
Mohammad Sirazul ISLAMMohammad Moynul HAQUEMohammad Mustafa KHAN日高 哲志Mohammad Abdul KARIM
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2004 年 48 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
水ストレス下でのツルナシインゲン (Phaseolus vulgayis L.) の生産性と水分生理におけるカリウム施肥の影響を調査した.材料にはBARI bushbean-1を用い, 2000年11月から2001年2月の冬季に, バンガバンヅシークムジブルラーマン大学圃場の自然光下のビニールハウス内で, 貧栄養土壌を用いてポット試験を行った.カリウム施肥量は, それぞれ37.5, 75および112.5kg/haに調製した.土壌水分は圃場容水量より25%以内の減少に止まる区をコントロールとし, 37.5%以上少ない区及び水ストレスが最も強い区として50%以上少ない区を調製して実験に供した.その結果, 水ストレスにより葉面積及び乾物重, 子実生産量が大きく減少したが, 根の乾物重は増加した.また, 根以外の植物体各部における乾物蓄積は弱い水ストレスを与えた区よりも強い水ストレスを与えた区で大きく阻害された.カリウム施肥は供試したすべての区において収量も含めて生長を促進させた.カリウム施肥量がより多い区ほど植物体の相対水分含量が大きく, 蒸散速度が速く, また, 拡散抵抗が低かった.すなわち, ツルナシインゲンにおいては, カリウム施肥により植物体の水分生理がより良い状態に保たれ, その結果乾物生産と分配も良好になったものと推察された.
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© 日本熱帯農業学会
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