熱帯農業
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沖縄県におけるウコンの植付時期が, 出芽, 生育および収量に及ぼす影響
石嶺 行男Md. Amzad HOSSAIN本村 恵二赤嶺 光平山 琢二
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2004 年 48 巻 1 号 p. 10-16

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抄録
沖縄県におけるウコン (Curcuma longa L.) の植付時期 (月) が, 出芽, 生育および収量に及ぼす影響を調査した.
その結果, 10℃以下と40℃以上では発芽が見られず, 最適な発芽温度は, 25℃から35℃であった.幼植物の生育は, 25℃から30℃が良く, 40℃以上では枯死した.2月, 3月および4月に植付けたウコン根茎はほぼ同じ時期に出芽し始め, 6月末までには全て出芽した.沖縄地域では2月~6月と植付け時期を変えてもウコンの地上部は11月頃から黄化が始まり, 1月には完全に枯死した.ウコンの地上乾物重と根茎重 (収量) は, ガラス室内での実験においては, 2月植付区が最も高く, 3月, 4月植付区の間に差はなかった.5月, 6月植付区の収量は極めて低かった.一方, 圃場試験区においては, 4月植付区が有意に高く, 次いで3月, 2月植付区の順であった.しかしながら, 2月と3月に植付けた区では, ウコンの出芽前に冬雑草および春雑草が繁茂し, 除草作業が必要となった.更に雑草の乾物重は, 2月植付区が最も高く, 次いで3, 4, 5, 6月の植付区の順であった.
以上の結果から, 沖縄県におけるウコンの植付時期は, 4月が最も適しており, 次いで3月が良いことが示唆された.
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© 日本熱帯農業学会
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