2017 年 12 巻 5 号 p. 92-98
【目 的】 病院・薬局実務実習における禁煙支援の実態調査を行い、薬学教育において禁煙支援教育を導入する必要性について検討する。
【方 法】 実務実習修了後の薬学生を対象に、実務実習時の禁煙支援活動ならびに喫煙関連疾患の学習機会について自記式記名アンケート調査を実施した。
【結 果】 対象者483名中399名より回答を得た(回収率82.6%)。患者の喫煙歴を確認した学生の割合は病院78.4%、薬局66.2%であったが、喫煙者への禁煙勧奨(病院12.8%、薬局12.0%)ならびに薬剤師による禁煙勧奨を見学した学生の割合は少なかった(病院17.0%、薬局18.8%)。病院・薬局いずれにおいても、禁煙支援教育受講群では、非受講群と比較して、禁煙支援の見学機会ならびに喫煙関連疾患の学習機会が多かった。
【結 論】禁煙支援教育の実施が患者への禁煙支援につながる可能性が示されたことから、薬剤師による患者ケアの礎の一つとして、薬学教育に禁煙支援教育を導入する必要があることが示唆された。