2017 年 12 巻 6 号 p. 120-125
【目 的】 本学では、キャンパス内全域が禁煙であるが、喫煙者は周辺の公道上で喫煙している。路上喫煙を規制する市町村条例がそのような喫煙者に何らかの影響を与えるかもしれない。まず、どのような条例があるかを調査した。
【方 法】 全市町村のwebsiteから路上喫煙を規制する条例を収集し、条例名、目的、喫煙規制除外条件、禁煙強化地区、罰則について分析した。
【結 果】 1,741市町村のうち、107(6.1%)に条例があった。内容から2つのカテゴリーに分けることができた。多くが「環境美化」を目的とし、住民の健康や安全を目的としておらず、喫煙規制除外条件は携帯灰皿の使用などであった。住民の健康を守るためとするものは少なかった。
【考察と結論】 全国的な屋内喫煙規制がないなかでは、多くを占める「環境美化」を目的とした路上喫煙規制条例は、喫煙者の行動を変えることができず、受動喫煙の害から、住民の健康や安全を守ることができない。