抄録
【目 的】 日本と中国の薬学生において、喫煙状況や喫煙防止教育などに違いがあるかどうかを明らかにする。
【方 法】 北海道薬科大学(現在、北海道科学大学薬学部)と沈阳葯科大学(中国)の学生を対象に、喫煙状況、喫煙による健康被害、喫煙防止教育受講状況などについてアンケート調査を行った。
【結 果】 日本と中国の学生の喫煙率は2.5%、2.0%と同程度に低かった。家族の喫煙率は、中国の学生が有意に高かった。喫煙が影響する疾患について、日本と中国の学生のどちらも肺がんの理解度が最も高かったが、その他の疾患では中国の学生の理解度は有意に低かった。喫煙防止教育受講率は、日本より中国の学生が有意に低かった。
【考 察】 喫煙防止教育受講率は日本より中国が低いにもかかわらず喫煙率は同程度であったことから、中国の教育効果が高い傾向がみられた。
【結 論】 日本と中国では、喫煙が影響する疾患の理解度と喫煙防止教育受講率に違いがみられた。