2022 年 17 巻 1 号 p. 5-11
【目 的】 牛乳(乳糖)の摂取が呼気一酸化炭素(CO)濃度測定器の値に与える影響を検討する。
【方 法】 非喫煙成人男女11名(21~59歳)を対象に3種類の呼気CO濃度測定器(A、B、C)を用いて呼気CO濃度を測定した。対象者は前日午後9時から絶飲食とし、当日は測定器で牛乳飲用前の呼気CO濃度の値を測定後、午前9時に牛乳400 mL飲用、その後30分ごとに約8時間後まで測定を行った。
【結 果】 測定器の前値の中央値(Q1, Q3)はA:1.0(1.0, 3.0)ppm、B:2.0(1.0, 2.0)ppm、C:1.0(1.0, 1.5)ppmであった。牛乳飲用後、測定器の値は上昇し、最大値の中央値はA:6.0(4.5, 10.0)ppm、B:11.0(7.0, 16.0)ppm、C:3.0(2.5, 3.5)ppmと前値より最大値が有意に高値を示した(A:p=0.003、B:p=0.003、C:p=0.003)。
【結 語】 非喫煙者でも牛乳飲用後に測定器の値はいずれも上昇し、呼気CO濃度測定に影響を与えている可能性が示唆された。測定の際は測定前の牛乳摂取の有無を考慮する必要があると考えられた。