2015 年 1 巻 4 号 p. A_1-A_8
時々刻々と変化する人々の分布・流動の様子を把握することは、今や広域の交通計画を行う上では必須の要素となってきている。とくに、道路等のインフラ整備そのものが未整備である途上国では新たなセンサを設置するのは現実的なものとは言いにくく、貧困層にとって唯一のライフラインとも言える携帯電話を活用することがリアルタイム性・カバー率を上げるためには有効であると考えられる。本研究ではスパースであるが長期の蓄積があるダッカの基地局レベルの通話履歴(CDR)を使って、メッシュレベルより詳細なリンク交通量を求めるものである。具体的には、CDR から時間帯別の携帯版の仮OD (t-OD)を求め、それに基づきトリップ総量を配分し、リンク交通量の推定を行う。